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ロゼワインとは?4つの醸造方法&初心者におすすめのロゼ5選

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ロゼワインとは?

ロゼワインはまだ日本ではそれほどなじみがないので、ワインラバーでも好んでよく飲むという方も少ないですよね。
「ロゼワインって白ワインと赤ワインを混ぜて造るの?」と質問される方もよくいらっしゃいます。
実のところ、私も以前まではロゼワインを飲む頻度はそれほど高くなく、月に1本飲む程度だったのですが、中華料理のお店に行った際に、たまたま頼んだロゼワインが中華料理とベストマッチして以来、家でも中華を食べる日はロゼワインを積極的に選ぶようになりました。
そこで、本日はまだまだ日本人が知らないロゼワインの魅力と、当店一押しのロゼワインをご紹介します。

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ロゼワインとは

ロゼワインの特徴

ロゼというと、甘いワインといったイメージをお持ちの方も多いかと思いますが、実際は赤、白と同じように辛口が主体で、むしろ甘いものは少数。
赤ワインのようにタンニンが果汁に少し溶け込んでいるので、白ワインよりも複雑味がありボリューム感を感じる味わいになります。
簡単に言ってしまうと、白ワインのような飲みやすさもありつつ、赤ワインのような複雑味もほんの少し感じられる、双方のいいところを合わせたのがロゼワインです。
価格は比較的リーズナブルなものが多く、フランスでもロゼワインの一大産地が南フランスのプロヴァンス地方で、デイリーワインにぴったりなロゼワインが多く造られています。
日本での販売価格は、チリなどのニューワールドワインであれば、1000円以下で購入できるものも多く、フランスをはじめとするオールドワールドワインでも、1000円前後から、高くても2000円~3000円のものが主流です。

ロゼワインは世界的に人気!

年々、若者のワイン離れが深刻化しているフランスですが、じつは、フランスでのロゼワインの消費量は年々増加しており、2013年にはすべてのワイン消費量の30%を占めるまでに至り、23年間で、フランスのロゼワインの消費量はほぼ3倍に拡大しました。
これは、およそ4本に1本はロゼワインが購入されているという状況です。
なぜ、それほどまでにロゼワインが支持されているのかというと、その理由として取り上げられるのが、食のトレンドが変化していることと、若者を中心にインスタグラムなどのSNSでより写真映えするロゼワインが人気であること、また、ロゼワインのもつ明るくライトなイメージも大きな要因だそうです。
ロゼワインというと、赤ワインなどのように格式高いレストランで飲むというより、公園や河原などのピクニックに持っていったり、バーベキューでお肉片手に飲んだりと、屋外でわいわい楽しく飲むというイメージが強く、フランスだけでなくアメリカでもロゼワインの人気が高まっており、世界的にみると、ロゼワインの消費量は増加傾向にあります。

ロゼワインは世界で人気

満月とロゼワインのジンクス

ロゼワインにまつわるちょっと神秘的なお話を1つ。
満月の夜にロゼワインを飲むと恋が叶うというジンクスがあるんです。
やり方はとても簡単で、氷の入ったワイングラスにロゼワインを注ぎ、満月にグラスを向けて「恋が叶いますように」と唱えてワインを飲み干すだけ。
満月のパワーがロゼワインに注がれて、引き寄せる力を強くするのだとか。
男性も女性もワインが好きな人なら、だれでもできるおまじないなので、片思いをしている方は、次の満月に試してみてはいかがでしょうか。

ロゼワインの産地・ブドウ品種

フランスのロゼ銘産地

ロゼワインの代表的な産地といえば、やはりフランス。
フランスの中でも、プロヴァンス、アンジュ&ソミュール、タヴェル、ボルドーの4産地がロゼワインの銘醸地として知られており、それぞれの産地で使われるブドウの品種も異なり、造られるロゼワインの味わいもさまざまです。

プロヴァンス

プロヴァンス地方には14のAOCがあり、フランス最大のAOCロゼワインの産地です。
中でも、AOCコート・ド・プロヴァンスは生産量の9割近くがロゼワインで、フランスのロゼワインの代表とも言える産地。
栽培されているブドウ品種は、グルナッシュ、サンソー、ムールヴェードル、シラーなどがあり、全体的に辛口が主流で、淡いピンク色の果実味とミネラル感のあるフルーティなタイプのロゼワインが多く造られていますが、近年はテロワールをいかしたブドウ栽培に力を入れており、プロヴァンスのロゼワインの味わいも多種多様になってきました。

アンジュ&ソミュール

アンジュ&ソミュールは、フランスのロワール地方西部にあるワイン産地1つで、アンジュ(Anger)市を中心に、約40km上流に位置するソミュールまでの広範囲にわたるアペラシオンです。
AOCアンジュ(Anjou)では、赤・白・ロゼとスパークリングワインが造られていますが、ロゼの生産量の割合が多く、特にロゼワインのロゼ・ダンジュとカベルネ・ダンジュが有名です。
固有種であるグロロ・ロワールを主体に造られるロゼ・ダンジュや、カベルネフラン主体で造られるロゼワインのカベルネ・ダンジュは、どちらもAOCワインの中では比較的価格もリーズナブルで、早飲みタイプのワインが多いため、普段の食事で気軽に楽しめます。

タヴェル

タヴェルはフランス南部ローヌ地方ガルド県の川の右岸にあるAOCで、ローヌ川を挟んだ対岸には、シャトーヌフ・デュ・パプがあります。
12世紀には「フランス最初のロゼ」という愛称で、タヴェルのロゼワインはフランス中に広がり、1936年、フランス初のロゼワインのAOCとして認定されました。
タヴェルのロゼワインは、オレンジ色がかったサーモンピンクの鮮やかな色調で、イチゴやチェリーなどの赤系果実や、ストロベリーキャンディのようなアロマに、バラを思わせるフローラルなアロマがあり、時間がたつごとにスパイス香が加わり、肉厚な果実味と心地良いまろやかな酸味が見事に調和した味わいになります。

ボルドー

フランスの赤ワインの銘醸地として知られるボルドーでもじつはロゼワインが造られています。
カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネフラン、メルロなどをブレンドして造られるボルドー・ロゼは、イチゴやラズベリーといった赤系果実のチャーミングなアロマと風味がある、キリっとした辛口のバランスのよい味わいのロゼワインが多く造られています。
また、ボルドー・クレレと呼ばれるボルドー・ロゼよりももう少し濃い色合いのより果実味とボディがしっかりとしたロゼワインがあり、まさに赤ワインとロゼワインの中間の味わいです。

ロゼに使われるブドウ品種

グルナッシュ

グルナッシュは、スペイン北部のアラゴン州原産で、原産地のスペインでは、ガルナッチャと呼ばれており、気候条件が揃えば、樹勢が強く、発芽も早いため栽培しやすい品種のため、世界7位の栽培面積をもつ国際品種です。
グルナッシュのアルコール度数の高さから、ボディのしっかりとした長期熟成型のワインが生まれています。
産地によっては、ジューシーでライトな味わいのワインや、甘口ワイン、辛口のロゼワイン、酒精強化ワインまでじつにさまざまなタイプのワインになります。
プロヴァンス地方では、グルナッシュを主体としたドライなロゼワインが多く造られています。

カベルネ・ソーヴィニヨン

ボルドー地方原産のカベルネ・ソーヴィニヨンは、酸もタンニンも強めで、ガッチリとした構造を感じる味わいのワインを造り、ボルドーやフランス南西部のロゼワインでは主要品種として使われています。

ピノ・ノワール

ブルゴーニュ地方の主要品種であるピノ・ノワールから造られるロゼワインは、ピノ・ノワールの特徴でもるイチゴ、チェリー、ラズベリーといった赤系果実のアロマがあり、フレッシュな果実味と洗練された酸とまろやかなタンニンを感じられるものが多く、チャーミングでありながらエレガントな味わいのロゼワインを生み出します。

ロゼワインの色合いと表現

ロゼワインに様々な色があるのはなぜか?

ロゼワインの魅力の1つである色。
グラスにロゼワインを注ぐと、まるでテーブルに花を添えたようにパっと華やかな空間にしてくれます。
ロゼワインの色はピンクと一口に言っても、オレンジがかったものから、紫がかったもの、淡いパステルのようなものまでじつにさまざまな色合いがあります。
こうした色合いのバリエーションが多い理由はロゼワインの製法の違いにあります。
製法の違いは後ほど詳しくご説明しますが、果皮や種と一緒にタンクの中で漬けて果皮の色素を果汁につける方式では、漬けている時間によって色素の濃淡が異なり、比較的濃い色合いになります。
また、黒ブドウを皮つきのまま圧搾して、絞った際にわずかに抽出される色素によって色を付ける方式では、より淡い色合いのロゼワインになります。

ロゼワインの色のバリエーション

ロゼワインの色合いの表現

こうしたロゼワインの色合いはさまざまな言葉で表現されています。
オレンジがかったピンクは、サーモンピンク、紫がかったピンクはチェリーピンク、ツヤがあるゴールドに近いピンクはオニオンスキン、灰色に近い薄いピンクはグリという形で色を表現します。
また、食べ物や花の色に例えた表現も多く、食べ物で表現する際には、マンダリン、マンゴー、ピーチ、ラズベリー、チェリー、アプリコット、あずき、玉ねぎの皮など。
花で表現するときには、シャクヤクのような赤、オレンジがかったバラ色、牡丹色、紅梅色、桜色など。

ロゼワインの4つの醸造・製法

セニエ法

ロゼワインで一番よく用いられる醸造法がセニエ法です。
プロヴァンスを始め、世界の多くのロゼワインはこの製法を用いています。
セニエという言葉は、もともとフランス語で「血抜き・瀉血(しゃけつ)」を意味しており、アルコール発酵の途中で、果汁だけをすこし抜き取る作業から、この言葉がついたそうです。
赤ワインと同じ原料である黒ブドウの果皮や種を果汁と一緒にタンクの中で8時間から48時間浸漬(マセラシオン)をして、果皮の色素を果汁につけます。
ピンク色に色づいた果汁をタンクから抜きとり、抜き取った果汁のみを引き続き醗酵させます。
この製法はタンニンも多く含まれ、果実味もより感じられるボリューム感のある味わいになります。

直接圧搾法

直接圧搾法もセニエ法と同様さまざまな産地で用いられるロゼワインの代表的な製法で、こちらは、白ワインの醸造に似ている製法です。
黒ブドウを皮つきのまま強くゆっくりとプレスして絞った果汁だけを発酵させます。
絞った際にわずかに抽出される色素によって色を付ける製法です。
そのため、セニエ法のように果皮に浸して色素を抽出したものよりも淡い色合いのロゼワインとなります。

混醸法

醸造の方法自体はセニエ法と同じで、ブドウの果皮や種を果汁と一緒にタンクの中で浸漬して、果皮の色素を果汁につけますが、用いられるブドウが黒ブドウだけでなく、白ブドウも混ぜた状態で行います。
そのためセニエ法で造られたロゼワインよりは色も薄く、すっきりとした味わいです。
ドイツのロートリングはおもにこの混醸法を用いて造られています。

アッサンブラージュ(ブレンド)法

白ワインに赤ワインを少量混ぜてロゼを造るという一番シンプルな製法です。
しかしEUの規定で、赤ワインと白ワインを混ぜて造ることが禁止されているので、ロゼワインのほとんどは、セニエ法・直接圧搾法・混醸法のいずれかで造られていますが、フランスのシャンパーニュ地方で造られるスパークリングワインのみ例外で、白ワインに少量の赤ワインを混ぜて造るアッサンブラージュ(ブレンド)法が適用されています。

ロゼワインのおいしい飲み方

最適な温度

ワインにはそれぞれ飲み頃温度というものがあり、赤ワイン、白ワインで温度は異なります。
赤ワインと白ワインどちらの要素も含むロゼワインの飲み頃温度は8〜12度と少し幅広いです。
基本的には、ロゼワインにもタンニンがありますが、赤ワインのように強くはないので、すっきりと冷やして飲む方がおいしく感じられますが、ロゼワインによっては、しっかりとマセラシオンされた色の濃いボリューム感のある味わいのものもあるので、色が濃い目のロゼワインは少し高め10〜12度。
薄い色合いのロゼワインは低めの8〜10度で設定するといいでしょう。
また、合わせるお料理によっても温度を少し調整するのがおすすめ。
濃い味付けのお料理とロゼワインを合わせるなら、少し高めの10〜12度にして、ワインの複雑味も味わえるようにすると、お料理にワインが負けてしまうことがありません。

カクテルにする

ロゼワインの消費量とともに人気になっているのが、ロゼワインをベースにしたカクテル。
その魅力はなんといっても、あの美しい色調。
淡いピンク色がおしゃれで、とくに女性を中心に人気が急上昇しているそうです。
それでは、人気のロゼワインカクテルを3つご紹介しましょう。
1つ目は、ロゼ・パンプルムース(ROSE PAMPLEMOUSSE)のパンプルムースはフランス語でグレープフルーツの意味で、ロゼワインとグレープフルーツを使ったフランスで人気のワインカクテルです。
略して「ロゼパン」とも呼ばれて、すでにカクテルの状態でボトルになっているものもあり、本場フランスでは3リットルのボックスタイプが人気で、夏のアペリティフの定番になっているそうです。
2つ目は、ロゼ・マルガリータです。
ロゼ・マルガリータは、もちろんロゼがベースで、ロゼにテキーラを加えて作るさっぱりした口当たりのクラシックなカクテルです。
3つ目は、ロゼワイン・クーラー
オレンジジュース、グレナンデシロップ、ホワイトキュラソーにロゼワインを注いでつくる、見た目にもかわいらしくフルーティな味わいのカクテル。

ワインカクテル

ロゼは夏に楽しむのがおすすめ!

先ほども触れましたが、ロゼワインの本場であるフランスでは、ロゼワインは初夏から晩秋にかけて楽しむのが旬
夏の暑い日は、ロゼワインもしっかり冷やして、たっぷりの氷をグラスに入れて飲んだり、ロゼワイン自体をタッパーに入れて冷凍庫で凍らして、シャリシャリのフローズン状にして楽しむ飲み方もあるんです。
白ワインや赤ワインと違って、この気楽な飲み方ができるのがロゼワインの魅力でもあります。

ロゼワインと相性のいい料理

ロゼワインは気楽に楽しく飲めるワインなので、合わせる料理も普段あまりワインとは合わせない料理と積極的に合わせて楽しむのがおすすめです。

おすすめ料理①

サンドウィッチ×ロゼスパークリングワイン
ハム、チーズ、きゅうり、レタス、ツナ、卵、きのこなど、さまざまな具材がトーストでサンドされたサンドウィッチは、海のものから山のものまで中身によっていろいろなバリエーションがあるので、白ワインと赤ワイン双方の要素を持つロゼワインはピッタリ。
とくに、ロゼのスパークリングワインは溌剌とした泡に、イキイキとした酸とフルーティな果実味があり、ほどよいボリューム感がトーストしたパンと濃厚なチーズやマヨネーズの風味と相性抜群。
ピクニックの定番料理でもあるサンドウィッチとロゼスパークリングをもって、公園でランチなんて気分も上がりますよね。
おすすめのワインは、リクオ・ロス ロサード・ブリュット ボデガス・エスクデロ

おすすめ料理②

水餃子×コクのあるロゼワイン
この組み合わせを食べてから、中華の時にはロゼワインが定番になりました。
ちなみに、水餃子のタレは甘辛ダレにするとより相性がいいです。
ベリー系のフレッシュさと凝縮感のある果実味に、ふくよかなコクのリッチな味わいのロゼワインは、ジューシーな豚肉の旨みとニラなどの香味野菜とも相性が良く、料理とワイン双方の香りと旨みを引き立ててくれます。
おすすめのワインは、ユヌ・プティット・キュヴェ・オ・ポワル セリエ・デ・シャルトリュ&セバスチャン・シャバル

おすすめ料理③

グリーンカレー×甘口のロゼワイン
タイ料理にはビールという方も多いと思いますが、ぜひ試していただきたいのが、スパイシーなタイ料理と甘口ワインの組み合わせ。
とくに、数種類の香辛料やハーブをすり潰したペーストにコクのあるココナッツミルクや独特の香りのナンプラーを使ったグリーンカレーには、熟した果実やバラなどのフローラルなアロマとしっかりとした果実味のあるほんのり甘口のロゼワインがとてもおすすめ。
グリーンカレーの複雑なスパイスの辛味と、ロゼワインの華やかなアロマと軽快な飲み口ながら複雑味のある後味が非常にマッチします。
おすすめのワインは、ペルレ・ロゼ ヴィノヴァリ

 

いかがでしたでしょうか。
晴れた週末に、公園や河原でピクニックでもしようかなと思った際には、
ぜひロゼワインをセレクトしてみてください。
カジュアルな料理との相性がとてもよく、気楽に飲めるのがロゼワインの魅力なので、
グラスも割れないアクリルのカップでも十分に楽しめますよ。

 

 


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